業界インサイト|廃タイヤを最も価値ある形で活かすには?5つのリサイクル方法を比較

世界では毎年約3,000万トン、台湾でも約15万トンの廃タイヤが発生しています。タイヤはゴム、カーボンブラック、スチール、繊維で構成され、自然には分解されません。廃タイヤの行き先が、「燃やされる」のか「産業に戻る」のかを決めます。代表的な5つの処理方法を比較し、当社の見解をご紹介します。
5つの処理方法
| 処理方法 | 主な産出物 | 長所 | 課題 |
|---|---|---|---|
| リトレッド(更生タイヤ) | 更生タイヤ | タイヤ寿命を直接延ばし、最も資源効率が高い | 台タイヤが健全なものに限られ、主にトラック・バス用 |
| ゴムチップ・土木利用 | ゴムチップ、ゴム粉、競技場舗装、改質アスファルト | 技術が成熟し投資が比較的少ない | 付加価値が限られ、需要は工事量に左右される |
| 再生ゴム | 再生ゴム | 一部のゴム製品へ戻せる | バージンゴムより物性が劣り、配合比率が限られる |
| タイヤ由来燃料(TDF) | 熱、蒸気 | 処理量が多く低コスト。台湾では現在の主要な処理ルート | 素材としての価値が燃焼で失われ、排出も続く |
| 熱分解 | 再生カーボンブラック(rCB)、熱分解油(TPO)、スチール | タイヤを原料に戻し、タイヤ・化学のサプライチェーンへ再投入できる | 投資・技術のハードルが高く、安定した量産と品質管理が必要 |
資源価値による優先順位
循環経済の優先順位では、再使用はリサイクルより先に、素材化は燃焼より先に来ます。最優先はリトレッドで、使用できなくなったタイヤは、エネルギー回収(燃料)よりも素材回収(ゴムチップ、再生ゴム、熱分解)が望まれます。中でも熱分解は、タイヤをカーボンブラック・油・鋼材という工業原料に戻し、タイヤや化学のサプライチェーンへ再投入できる数少ない方法です。
台湾では現在も多くの廃タイヤが燃料として処理され、熱分解に回る割合はまだ小さいのが現状です。タイヤブランドによる再生材使用目標の設定や、カーボン算定・製品カーボンフットプリントの要求拡大により、検証可能な再生原料への需要は急速に高まっており、再生カーボンブラック市場は今後も高い成長が見込まれています。
環拓科技の見解
1. 各方法は代替ではなく補完関係。健全な台タイヤはまずリトレッドへ、大量・低コストの処理には燃料にも役割があります。熱分解は、燃やされていたタイヤを高付加価値素材に変え、リサイクル全体の資源効率を高めるものです。
2. 熱分解の成否は安定量産にある。原理は難しくありませんが、長期安定運転と品質の一貫性が鍵です。当社は2013年、屏南に世界初の24時間商業運転の廃タイヤ熱分解工場を建設し、連続式システムは稼働率90%以上を維持しています。これがタイヤメーカーに採用される前提です。
3. 製品価値は品質と検証可能性から。当社の再生カーボンブラックはISO 14067の検証により、従来のカーボンブラック比でカーボンフットプリントを48.95%、熱分解油は燃料油比で65.53%削減し、ISCC PLUS認証も取得しています。買い手にとって、検証可能なカーボンデータとトレーサビリティは物性と同じく重要です。
4. 基本設計から投資ハードルを下げる。熱分解プラントは投資額・技術ハードルともに高い事業です。当社は熱分解設備の販売と技術ライセンスを提供し、まず4~6か月の基本設計(FEED)で原料・サイト・製品計画を明確にしてから投資判断することをお勧めしています。詳しくは設備販売をご覧ください。
参考資料:城市綠材科技「廃タイヤ熱分解と他のゴムリサイクル方式の比較」(2025年7月3日、中国語)。本記事は当社による要約と見解であり、カーボンフットプリントの数値は当社2025年サステナビリティレポートによるものです。